* * * 運命と言う名の二文字 * * *

序幕







混沌の世の中。


少年達は夢を見る。


それはとても儚くて、とても辛く、厳しい。


『何時になったら帰ってくるんだろう』


奇跡は起こらず、偶然も起こらない。


狂狂、狂狂と狂気と共に歯車が回る。


『ま、直ぐに帰ってくるよね』


神はサイコロを振らない。


まして、決めた運命を変えようとも思わない。


『あ、車の音。帰ってきたんだな』


今はまだ、運命の荒波に飲まれる前。



―――――いや。もう飲まれていた。